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犬の僧帽弁閉鎖不全症の初期症状とは?|疲れやすいのは要注意?
犬の僧帽弁閉鎖不全症の初期症状とは?|疲れやすいのは要注意?
「最近、散歩で立ち止まることが増えた気がする」
「年齢のせいだと思っていたけれど、なんとなく元気がない」
「食欲にムラがあって少し心配」
こんな小さな変化に気づいた飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
僧帽弁閉鎖不全症は犬で最も多い心臓病のひとつで、特に小型犬や高齢犬でよくみられます。
初期のうちは症状があらわれにくく、気づかないまま進行してしまうことも珍しくありません。
「年齢のせいかな」と様子を見てしまい、そのまま受診のタイミングを逃してしまうケースもあるでしょう。
今回は、僧帽弁閉鎖不全症の初期症状について、飼い主様が知っておきたいポイントをやさしく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の心臓病に早期に気づくための参考にしてください。
僧帽弁閉鎖不全症とは?
僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁が正常に閉じなくなる病気です。
僧帽弁がうまく閉じないと、血液が逆流し、心臓に余計な負担がかかるようになります。
この状態が続くと、心臓が大きくなり、最終的には心不全を引き起こす可能性があります。
特に発症しやすい犬種
僧帽弁閉鎖不全症は、特に小型犬の高齢犬に多く見られます。
以下の犬種は発症リスクが高いため、定期的な心臓検診が推奨されます。
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- チワワ
- マルチーズ
- ポメラニアン
- トイ・プードル
- ミニチュア・シュナウザー
- ヨークシャー・テリア
10歳以上の小型犬は発症率が高くなるため、特に注意が必要です。
僧帽弁閉鎖不全症と小型犬の関係についてはこちらの記事をご覧ください
小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症とは?|小型犬特有のリスクを解説

犬の僧帽弁閉鎖不全症の初期症状
犬の僧帽弁閉鎖不全症は症状によってそれぞれステージがA・B1・B2・C・Dに分けられます。
僧帽弁閉鎖不全症の詳しいステージと治療についてはこちらをご覧ください。
犬の僧帽弁閉鎖不全症のステージとは?|進行度ごとの症状や治療法を解説
初期のステージB1は「症状がほとんどない段階」ですが、ごく軽いサインがあらわれることがあります。
見逃しやすいサインについて一つずつ説明していきましょう。
疲れやすい
軽度の僧帽弁閉鎖不全症でも、心臓が十分に血液を送り出せなくなり、疲れやすくなることがあります。
この「疲れやすさ」は、僧帽弁閉鎖不全症の初期に最も気づきやすいサインのひとつです。
具体的には以下のような変化が見られることがあります。
- 散歩中に立ち止まることが増えた
- 以前より遊びたがらなくなった
- 寝ている時間が増えた
これらの症状は「高齢だから仕方ない」と思ってしまう変化ですが、実は初期症状のこともあるため要注意です。
呼吸が荒くなる
僧帽弁閉鎖不全症では初期の段階でも呼吸が荒くなることがあります。
僧帽弁閉鎖不全症になると心臓のポンプ機能が低下し、肺に血液が溜まりやすくなるためです。
- ちょっとした運動で息が上がるようになった
- 寝ているときも呼吸が早くなることがある
などの症状には注意が必要です。
特に運動後に息切れしやすくなる場合は、早めに動物病院で診てもらいましょう。
食欲が落ちる
心臓に負担がかかると、血液の循環が悪くなり、胃腸の働きが低下することがあります。
- 食べる量が減った
- 好きなものでも食べ残すようになった
- ダラダラ食べるようになった
といった症状は、もしかすると僧帽弁閉鎖不全症の初期症状かもしれません。
食べムラがあるなと思ったら一度動物病院で相談してみましょう。
僧帽弁閉鎖不全症と食欲不振の関係についてはこちらの記事もご覧ください。
犬の僧帽弁閉鎖不全症で食欲不振になるのはなぜ?|原因と対策を解説
僧帽弁閉鎖不全症はなぜ初期症状が目立たないの?
犬の僧帽弁閉鎖不全症は初期症状が分かりにくいことがほとんどです。
では、なぜ初期症状が目立たないのでしょうか?
初期症状が目立たない理由は大きく分けて2つあります。
1つ目は心臓が頑張って全身の血液を補おうとするためです。
犬が僧帽弁閉鎖不全症になると心臓の血流が逆流してしまいます。
心臓の血流が逆流すると、全身に送り出す血液量が減ってしまいますね。
そこで、心臓は普段と同じ血液量を送り出すために、心臓の鼓動を増やして過剰に頑張る必要があります。
心臓が過剰に頑張ることで、体は普段と変わらない状態を保つことができます。
このように、体が一時的にバランスを保ってしまうため、僧帽弁閉鎖不全症の初期症状は気づかれにくいのですね。
2つ目は高齢犬で起こりやすい病気であるためです。
僧帽弁閉鎖不全症は高齢の小型犬に多くみられる病気です。
犬も高齢になると疲れやすくなったり食欲が落ちたりします。
そのため、僧帽弁閉鎖不全症の初期症状を老化のせいだと勘違いしやすくなることも、初期症状が目立たない原因の一つです。

僧帽弁閉鎖不全症の初期症状に気づいたら
僧帽弁閉鎖不全症は進行性の病気で、早期のケアがとても重要です。
少しでも気になる変化があればなるべく早く動物病院を受診しましょう。
また、高齢の小型犬や、特定の犬種では僧帽弁閉鎖不全症のリスクが高くなります。
症状や違和感がなくても、動物病院で定期的な聴診を受けることで早期に病気を発見することができます。
「変化がある時だけ診てもらう」のではなく、普段から心臓の状態を確認しておくことが早期発見につながりますね。
まとめ
僧帽弁閉鎖不全症は高齢の小型犬に多い心臓病です。
僧帽弁閉鎖不全症の初期症状はわかりづらく、些細な違和感しか感じないことがあります。
犬が疲れやすくなったり、食欲が落ちたりといつもと違う様子がある場合には、早めに動物病院に相談しましょう。
当院は循環器疾患の治療に力を入れています。
もしかしたら僧帽弁閉鎖不全症かも、と思った場合にはぜひ早めにご来院ください。
愛犬がいつまでも元気で過ごせるように、早めのチェックと適切なケアを心がけましょう。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 犬の僧帽弁閉鎖不全症の初期症状にはどんなものがありますか?
A. 初期段階では目立った症状がないことも多いです。
疲れやすい、散歩中に立ち止まる、遊びたがらない、寝てばかりいるといった些細な変化が見られることがあります。
これらは年齢による変化と見過ごされやすいため注意が必要です。
Q2. 呼吸が早くなったり、荒くなったりするのも心臓病のサインですか?
A. 僧帽弁閉鎖不全症が進行すると、肺に血液が溜まりやすくなり、呼吸が荒くなることがあります。
運動後に息切れする、寝ているときに呼吸が速くなるなどの症状が見られた場合は、早めの受診をおすすめします。
Q3. 食欲不振も心臓病と関係していることがありますか?
A. 心臓に負担がかかると胃腸の血流が減り、食欲が低下することがあります。
食べ残しやダラダラ食いが増える場合は、心臓病の初期症状の可能性もあるため早めに動物病院で相談しましょう。
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