
ブログ
Blog
小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症とは?|小型犬特有のリスクを解説
小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症とは?|小型犬特有のリスクを解説
小型犬の心臓病の中で特に多い僧帽弁閉鎖不全症をご存じでしょうか?
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の弁が正常に閉じなくなることで血液が逆流し、心臓に負担がかかる病気です。
「小型犬はなぜ僧帽弁閉鎖不全症になりやすいの?」
「どんな犬が注意するべき?」
「小型犬の僧帽弁閉鎖不全症を予防できる?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
愛犬の心臓を守るために、ぜひ最後までお読みください。
小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症とは?
僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁が正常に閉じなくなる病気です。
弁がうまく閉じないと、血液が逆流し、心臓に負担がかかります。
長期的に進行することで、心不全を引き起こし、呼吸困難などの重篤な症状を引き起こす可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。
僧帽弁閉鎖不全症の好発犬種
僧帽弁閉鎖不全症は、小型犬に多いことが知られています。
特に以下の犬種は発症リスクが高いため、定期的な健康診断が推奨されます。
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- チワワ
- マルチーズ
- ポメラニアン
- トイ・プードル
- ミニチュア・シュナウザー
- ヨークシャー・テリア
小型犬は加齢とともに発症率が高くなり、特に10歳以上の犬では約60%が発症するとも言われています。
僧帽弁閉鎖不全症は大型犬でも発症の可能性はありますが、小型犬の方がより重症化のリスクが高い病気です。
小型犬とは?どこからが小型犬?
一般的に、小型犬は体重10kg未満の犬を指します。
具体的には、前述の犬種のほか、シーズーやミニチュア・ダックスフンドなども小型犬に分類されます。
小型犬は体のサイズが小さいため、大型犬とは異なる心臓の負担のかかり方をすることが特徴です。
小型犬に僧帽弁閉鎖不全症が多いのはなぜ?
小型犬に僧帽弁閉鎖不全症が多い理由はいくつかあります。
それぞれ解説していきましょう。
心臓の構造的な特徴
小型犬は心臓が小さい分、僧帽弁にかかる負担が相対的に大きいと考えられています。
そのため、加齢とともに弁の変性が起こりやすく、弁が正常に閉じなくなる確率が高くなるのですね。
遺伝的な要因
小型犬に僧帽弁閉鎖不全症が多い理由には遺伝的な要因も絡んでいます。
特にキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、遺伝的に遺伝的に若齢でも僧帽弁閉鎖不全症を発症しやすいことが知られています。
また、トイ・プードルやチワワなども、遺伝的にこの病気になりやすい傾向です。
加齢による影響
小型犬は大型犬と比べると寿命が長いことが多いです。
年齢とともにどうしても弁の劣化が進むため、高齢の小型犬ほど注意が必要です。
小型犬は咳をする病気が多い?心臓病との関係
小型犬は咳をする病気が多いことをご存知ですか?
咳の原因としては、以下のような病気が考えられます。
- 気管虚脱
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 慢性気管支炎
咳が出ているとどうしても肺や気管の病気だと思ってしまいますよね。
しかし、僧帽弁閉鎖不全症も進行すると、肺に負担がかかり、咳が出やすくなります。
小型犬で咳が増えた場合は単なる気管の問題ではなく、心臓病の可能性も考えるべきです。
僧帽弁閉鎖不全症の治療法
僧帽弁閉鎖不全症は進行性の病気なため、治療は病期(ステージ)に応じて異なります。
ステージが軽度の場合には、治療をせずに経過観察を行うことが多いです。
治療が必要なステージになった場合には、心臓の負担を軽減する薬の投与や、塩分を控えたフードなどを使った食餌管理を行っていきます。
ステージが進行するにつれて
- 強心薬や利尿剤などの使用
- 酸素療法を行う
など、治療を強化しながら、生活の質をあげるための緩和ケアに移行していくこともあります。
詳しい犬の僧帽弁閉鎖不全症のステージと治療についてはこちらの記事をご覧ください
犬の僧帽弁閉鎖不全症のステージとは?|進行度ごとの症状や治療法を解説
まとめ
僧帽弁閉鎖不全症は、特に小型犬に多い心臓病であり、進行すると心不全を引き起こすことがあります。
初期のうちは無症状のため、早期発見をするためにも、小型犬では定期検診が重要です。
当院では僧帽弁閉鎖不全症の治療だけではなく、健康診断での心臓の検査も実施しています。
特に小型犬を飼われている方は、定期的な検診を受け、早めの治療を心がけましょう。
気になる症状がある場合は、当院へご相談ください。
市川市南八幡の動物病院
あいす動物病院