お知らせ
あいす動物病院の髙橋です。
固定電話の回線が復旧しました。
まだ不安定になる可能性もありますが、ひとまずご連絡いただくことが現在は可能になっております。
連休中は通ってくださっている犬猫さん・ご家族の方には大変ご迷惑をお掛けし、申し訳ありませんでした。
今日から切り替えて診療して参りますので、よろしくお願いいたします。
あいす動物病院 院長 髙橋一馬
ブログ

「犬の呼吸がいつもより速い気がする」
「横になっても落ち着かず、苦しそうにしている」
「咳が増えてきたけど、年齢のせいなのかな?」
このような変化に不安を感じていませんか?
犬の肺水腫は、肺に水がたまってしまう状態です。
呼吸がうまくできなくなり、進行すると命に関わることもあります。
とくに心臓病を抱えている犬では注意が必要です。
今回は、犬の肺水腫について、原因や症状、受診の目安について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の呼吸の変化に早く気づけるようにしていきましょう。
犬の肺水腫とは?
犬の肺水腫とは、肺の中に液体がたまり、酸素交換がうまくできなくなる状態です。
通常、肺は空気を取り込むためにスポンジのような構造をしています。
しかし肺水腫になると、その空間に水分が入り込んでしまいます。
その結果、
- 呼吸が速くなる
- 苦しそうにする
- 酸素不足になる
といった症状がみられます。
とくに犬では、心臓病に関連して肺水腫が起こるケースが多くみられます。
犬の肺水腫でよくみられる症状
肺水腫でみられる症状は、呼吸に関する変化が中心になります。
肺水腫は進行すると急激に悪化し命に関わる場合があります。
少しでも様子がおかしいと思ったら様子を見ずに動物病院を受診しましょう。
呼吸が速くなる
犬が安静にしているのに呼吸数が増えている場合は注意が必要です。
とくに寝ているときでも、
- 胸の動きが大きい
- 呼吸が浅く速い
- 落ち着いて眠れない
といった様子がみられる場合は肺水腫の可能性があります。
咳をする
犬の肺水腫では咳がみられることがあります。
ただし、咳だけで肺水腫と断定はできません。
気管虚脱や気管支炎など、別の呼吸器疾患でも咳は起こります。
そのため、
- 咳が増える
- 夜間や明け方に咳がひどい
- 呼吸が速い
などの変化がないかよく注意して観察しましょう。
咳で夜も眠れないなどの場合は早めの検査が重要です。
苦しそうに座り込む
呼吸が苦しくなると、犬は伏せるよりも座った姿勢を取ることがあります。
犬に首を伸ばすような姿勢や、口を開けた呼吸がみられる場合は早めに動物病院を受診しましょう。
元気や食欲の低下
肺の酸素不足が進むと、犬は動きたがらなくなることがあります。
- 散歩を嫌がる
- すぐ座り込む
こうした変化が、肺水腫や心疾患のサインになっていることもあります。
また、食欲が落ちている場合も注意が必要です。
呼吸が苦しいせいでご飯を食べられなくなっている可能性があります。
とくに心臓病を持つ犬が食欲がない場合は、あまり様子を見ずに獣医師に相談しましょう。

犬の肺水腫の主な原因
犬の肺水腫は、心臓病が原因となるケースが非常に多くみられます。
僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症は小型犬で多い代表的な心臓病です。
僧帽弁閉鎖不全症になると心臓の弁がうまく閉じなくなることで血液が逆流し、肺に負担がかかります。
病気が進行すると肺に水がたまり、肺水腫につながります。
とくに、
- シニアの小型犬
- 心雑音を指摘されている犬
は僧帽弁閉鎖不全症の悪化に注意が必要です。
拡張型心筋症
拡張型心筋症は大型犬にみられることの多い心筋の病気です。
拡張型心筋症になると心臓の収縮力が低下し、血液循環が悪化することで肺水腫を起こすことがあります。
非心原性肺水腫
心臓以外が原因となって肺水腫になることを非心原性肺水腫と呼びます。
たとえば、
- 重度の熱中症
- 感電
- 誤嚥
- 外傷
などが関係することがあります。
ただし、一般的には心臓病由来の肺水腫のほうが多いです。
犬の肺水腫は放置するとどうなる?
肺水腫は自然に改善する病気ではありません。
肺に水がたまった状態が続くと、酸素を十分に取り込めなくなります。
その結果、
- 呼吸困難
- チアノーゼ
- 失神
- 命に関わる状態
につながることがあります。
また、肺水腫は急変するケースも少なくありません。
「昨日までは普通だったのに、急に苦しそうになった」ということもあるため、呼吸の変化は軽視しないことが大切です。
犬の肺水腫の治療
犬の肺水腫では、まず犬の呼吸を安定させることが最優先になります。
呼吸が苦しい状態が続くと全身に十分な酸素を届けられなくなるため、早急な対応が必要です。
また、肺水腫は「肺だけの病気」ではなく、背景に心臓病が関係しているケースも多くみられます。
そのため、呼吸状態を改善しながら、原因となっている病気を同時にコントロールすることが重要です。
状態によっては、数日間の入院管理が必要になることもあります。
酸素室での管理
呼吸が苦しい犬では、まず酸素濃度を高めた環境で管理を行います。
肺水腫は、肺の中に水分がたまることで酸素をうまく取り込めなくなっている状態です。
そのため、酸素室を使用して呼吸を補助し、全身への酸素供給を助けます。
また、呼吸が苦しい犬は少し動くだけでも負担がかかります。
興奮やストレスによってさらに呼吸状態が悪化することもあるため、できるだけ安静に過ごせる環境を整えることも大切です。
利尿剤
肺にたまった水分を体外へ排出するために、利尿剤を使用します。
肺水腫では、肺胞や肺の組織に余分な水分がしみ出している状態です。
利尿剤によって余分な水分を尿として排出することで、呼吸状態の改善を目指します。
ただし、利尿剤は水分を強く排出するため、
- 脱水
- 腎臓への負担
- 電解質バランスの変化
などが起こる場合があります。
そのため、状態に応じて血液検査を行いながら獣医師に薬の量を調整してもらいましょう。
心臓病の治療
肺水腫の背景に心臓病がある場合には、継続的な循環器管理が必要になります。
とくに犬では、僧帽弁閉鎖不全症が進行した結果として肺水腫を起こすケースが多くみられます。
肺水腫が一度改善しても、心臓への負担が続けば再発する可能性があります。
そのため、「呼吸が落ち着いたら終わり」ではなく、その後の管理が非常に重要です。
状態に応じて、
- 血管拡張薬
- 強心薬
- 降圧薬
などを組み合わせながら治療を行います。
また、定期的な心エコー検査やレントゲン検査によって、心臓や肺の状態を評価していく場合もあります。
肺水腫は「急性期を乗り越えたあと」も管理が重要な病気です。
だからこそ、再発予防や早期変化の確認を含めた長期的な管理が大切になります。

まとめ
犬の肺水腫では、「呼吸の変化」が重要なサインになります。
とくに、
- 安静時呼吸数が多い
- 苦しそうに呼吸する
- 横になれない
- 咳が増えている
このような場合は注意が必要です。
「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、肺水腫は急激に悪化することがあります。
早期発見・早期管理によって、呼吸状態を安定させられるケースも少なくありません。
犬の様子に違和感を感じたら早めに動物病院を受診しましょう。
当院では犬の循環器治療に力を入れています。
犬に気になる症状がある場合は悪化する前にご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q.犬の肺水腫ではどのような症状がみられますか?
A.犬の肺水腫では、呼吸が速くなる・苦しそうにする・咳が増えるなどの症状がみられます。
とくに犬が安静時でも呼吸数が多い場合や、横になれず座り込むような様子がある場合は注意が必要です。
Q.犬の肺水腫は自然に治りますか?
A.犬の肺水腫は自然に改善する病気ではないため、早めの治療が必要です。
放置すると酸素不足が進み、呼吸困難や命に関わる状態につながる可能性もあります。
犬の呼吸の異変に気づいたら早めに受診しましょう。
Q.犬の肺水腫は心臓病が原因になることが多いですか?
A.犬の肺水腫は、僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病が原因となるケースが多くみられます。
とくにシニアの小型犬で心雑音を指摘されている場合は、咳や呼吸の変化に注意して観察することが大切です。
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