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あいす動物病院の髙橋です。
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今日から切り替えて診療して参りますので、よろしくお願いいたします。
あいす動物病院 院長 髙橋一馬
ブログ

健康診断やワクチン接種の際に、「心雑音があります」と言われて驚いた経験はありませんか?
猫では、見た目は元気そうでも、聴診によって心雑音が見つかることがあります。
「心雑音=すぐに重症」というわけではありませんが、心臓病が隠れていることもあります。
特に猫では、症状が出にくいまま心疾患が進行することも少なくありません。
そのため、心雑音を指摘された場合には、必要に応じて詳しい検査を受けることが大切です。
今回は、猫の心雑音とは何か、考えられる病気、動物病院での検査について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、心雑音を指摘された際の一助としてもらえると幸いです。
心雑音とは?
心雑音とは、心臓の拍動に伴って生じる「異常な血流の音」のことです。
通常、聴診では「ドクン、ドクン」という規則的な心音が聞こえます。
しかし血液の流れに乱れがあると聞こえるのが「ザーザー」「シュッシュッ」といった雑音です。
心雑音そのものは病名ではなく、「心臓や血流に何らかの変化がある可能性を示すサイン」です。
雑音の大きさや聞こえる位置によって、疑われる病気が異なることもあります。
猫で心雑音が見つかる原因
猫の心雑音には、心臓病が原因となるものと、必ずしも病気とは限らないものがあります。
例えば、病院での緊張や興奮によって血液の流れが変化し、一時的に心雑音が聞こえることがあります。
猫は環境の変化に敏感な動物であるため、診察時だけ心雑音が確認されるケースも多いです。
また、成長途中の子猫では、生理的な血流の変化によって一時的な心雑音が聞こえることもあります。
一方で、心臓の構造や血流に異常がある場合にも心雑音が発生する場合もあります。
例えば、
- 肥大型心筋症
- 心室中隔欠損症
- 動脈管開存症
- 大動脈狭窄症
などの心疾患では、血液の流れが乱れることで心雑音が生じることがあります。
ただし、猫では心雑音があるから必ず心臓病というわけではありません。
逆に、重度の心臓病であっても心雑音が聞こえないこともあります。
そのため、心雑音は「心臓を詳しく調べる必要があるかもしれないサイン」と考えることが大切です。
猫の肥大型心筋症と心雑音の関係
猫で最も多い心疾患は肥大型心筋症です。
肥大型心筋症は、心臓の筋肉(心筋)が厚くなる病気で、心臓の内部が狭くなり、血液を送り出しにくくなります。
実は猫の肥大型心筋症では心雑音がはっきりと聞こえることは多くありません。
肥大型心筋症の中で心雑音が聞こえやすいのは、「閉塞性肥大型心筋症(HOCM)」と呼ばれるタイプです。
閉塞性肥大型心筋症では、厚くなった心筋によって左心室の出口付近が狭くなります。
その狭くなった部分を血液が勢いよく通過することで乱流が発生し、心雑音として確認されます。
そのため、聴診だけで肥大型心筋症の有無や重症度を判断することはできません。
猫で肥大型心筋症が疑われる場合には、心エコー検査による詳しい評価が重要です。

心雑音を指摘された場合は?
前述の通り、猫では心雑音があるからといって心疾患であるとは限りません。
ただし、猫の心疾患はかなり進行するまで目立った症状が出ないため、「元気だから大丈夫」と思っていても、実際には心臓病が隠れているケースもあります。
また、猫は体調不良を隠す傾向が強い動物です。
運動量の低下や寝ている時間の増加なども、「年齢のせいかな」と見過ごされてしまうことがあります。
健康診断で心雑音を指摘された場合は、症状の有無に関わらず、一度病院で詳しい検査を検討することが大切です。
動物病院で行われる検査
心雑音が確認された場合、動物病院では心臓の状態を詳しく調べるための検査が行われます。
まず行われるのは聴診による雑音の強さや聞こえる場所の確認です。
そのうえで、必要に応じて以下のような検査を組み合わせます。
胸部X線検査
胸部X線検査は心臓の大きさや肺の状態を確認する検査です。
心拡大や肺水腫の有無などが評価できます。
心電図検査
心電図検査によって心拍のリズムに異常がないかがわかります。
心電図検査は不整脈の評価に役立ちます。
心臓超音波検査(心エコー検査)
心エコー検査は猫の心疾患を詳しく評価するうえで非常に重要な検査です。
心筋の厚さや心臓の動き、血流の状態などをリアルタイムで確認することができます。
特に肥大型心筋症の診断では、心エコー検査が重要です。
血圧測定・血液検査
血圧検査や血液検査によって、高血圧や甲状腺疾患など、心臓に影響を与える病気が隠れていないかを調べる場合もあります。
心雑音がある場合は麻酔前検査も重要
猫では、去勢・避妊手術や歯科処置の術前検査で心雑音が見つかることもあります。
心疾患がある場合、麻酔中のリスク評価が重要です。
そのため、必要に応じて心エコー検査などを行い、安全に麻酔をかけられる状態かを獣医師が確認していきます。
循環器診療に力を入れている病院では、心臓の状態に配慮しながら麻酔計画を立てることが可能です。
心雑音がある猫に麻酔をかける必要がある場合は、なるべく循環器診療が得意な病院で受けるようにしましょう。
こんな変化があれば早めに相談を
次のような症状がみられる場合は、早めの受診をおすすめします。
- 呼吸が速い
- 口を開けて呼吸している
- 元気がない
- 食欲が落ちている
- 後ろ足を引きずる
特に、安静時の呼吸数が増えている場合は注意が必要です。

まとめ
猫の心雑音は、健康診断などで偶然見つかることも多い所見です。
一時的な変化の場合もありますが、肥大型心筋症や先天性心疾患などの心臓病が隠れていることもあります。
猫の心臓病は症状がわかりにくく、進行してから気づかれるケースも少なくありません。
そのため、心雑音を指摘された場合には、心エコー検査などを含めた詳しい評価が重要になります。
当院では循環器診療を得意としております。
「以前から心雑音を指摘されている」「最近呼吸が速い気がする」といった場合は、早めにご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q.猫に心雑音がある場合必ず心臓病なのでしょうか?
A.猫に心雑音があっても、必ずしも心臓病とは限りません。
病院での緊張や興奮によって一時的に雑音が聞こえることもあります。
ただし、肥大型心筋症などの心疾患が隠れている可能性もあるため、必要に応じて詳しい検査を受けることが大切です。
Q.猫の肥大型心筋症ではどのような症状がみられますか?
A.猫の肥大型心筋症では、呼吸が速くなる、元気や食欲が低下するなどの症状がみられることがあります。
また、後ろ足の麻痺が起こることもあり、症状が現れた時には病気が進行している場合もあります。
Q.猫の心雑音が見つかった時はどのような検査を行いますか?
A.猫の心雑音が見つかった時は、胸部X線検査や心電図検査、心エコー検査などを行うことがあります。
とくに猫の肥大型心筋症の評価では、心臓の形や動きを確認できる心エコー検査が重要です。
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