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「高齢の愛犬に乳腺腫瘍が見つかった」
「年齢を考えると手術を受けさせるのが心配」
「もう高齢だから、治療せずに様子を見たほうがいいの?」
高齢の愛犬が乳腺腫瘍と診断された場合にこのようなお悩みをお持ちではないでしょうか?
犬の乳腺腫瘍は、とくに避妊手術をしていない、または避妊手術の時期が遅かった中高齢のメスで多くみられる腫瘍です。
高齢犬に乳腺腫瘍が見つかると、「この年齢で手術をしても大丈夫なのだろうか」と心配になる飼い主様も多いです。
しかし、年齢だけを理由に手術ができないとは限りません。
腫瘍の大きさや広がりだけでなく、心臓や腎臓などの全身状態を確認し、その犬にとってどのような治療が適しているのかを考えることが大切です。
今回は、高齢犬に乳腺腫瘍が見つかった場合の治療や手術、放置した場合に考えられることについて解説します。
愛犬の年齢が気になって治療を迷っている飼い主様は、今後の方針を考えるための参考にしてください。
犬の乳腺腫瘍とは?
犬の乳腺腫瘍とは、胸からお腹にかけて並んでいる乳腺に発生する腫瘍です。
犬では比較的よくみられる腫瘍のひとつで、良性の場合もあれば悪性の場合もあります。
乳腺腫瘍は
- 乳首の近くに硬いしこりがある
- お腹を触ると小さな粒のようなものがある
- 以前よりしこりが大きくなっている
- 複数の場所にしこりがある
といったことをきっかけに飼い主様が気づくケースが多いです。
小さな乳腺腫瘍では、犬自身が気にする様子もなく、元気や食欲も普段通りということがあります。
しかし、元気に見えるからといって良性とは限りません。
乳腺付近にしこりを見つけた場合は、大きさにかかわらず一度動物病院で確認してもらいましょう。
高齢犬に乳腺腫瘍が見つかったらどうする?
高齢犬に乳腺腫瘍が見つかった場合も、まずは腫瘍と全身の状態を詳しく調べることが大切です。
「もう10歳を超えているから」「シニアだから」という年齢だけで、治療できるかどうかが決まるわけではありません。
同じ10歳の犬でも、元気に散歩をしている犬もいれば、心臓病や腎臓病などの持病がある犬もいます。
また、乳腺腫瘍についても、小さなしこりがひとつだけの場合と、大きな腫瘍が複数ある場合では治療方針が変わります。
そのため
- 腫瘍の大きさや数
- 腫瘍ができている場所
- リンパ節や肺への転移の有無
- 持病の有無
- 心臓や腎臓などの状態
- 普段の生活や体力
などを動物病院で総合的に確認してもらい、その犬に合った治療を検討してもらいましょう。

高齢犬でも乳腺腫瘍の手術はできる?
高齢犬でも、全身状態によっては乳腺腫瘍の手術を行うことができます。
「何歳以上は全身麻酔ができない」という明確な年齢制限があるわけではありません。
大切なのは実際の年齢よりも、麻酔や手術に耐えられる全身状態であるかどうかです。
手術を検討する場合には、事前に血液検査やレントゲン検査などが行われます。
必要に応じて心電図や心エコー検査などが追加され、麻酔のリスクが総合的に評価されます。
高齢だからという理由だけで最初から手術を諦めるのではなく、まず現在の状態を確認してもらうことが大切です。
高齢犬の乳腺腫瘍は手術したほうがいい?
乳腺腫瘍の治療では、外科手術による摘出が基本となります。
ただし、高齢犬では「腫瘍があるから必ず手術する」と一律に決まるわけではありません。
腫瘍が悪性である可能性や転移の有無、手術によって期待できるメリットと麻酔リスクなどを比較して判断されます。
とくに腫瘍が小さい段階では、比較的小さな範囲の手術で摘出できることがあります。
一方、「高齢だからもう少し様子を見よう」としている間に腫瘍が大きくなれば、より広い範囲の切除が必要になる可能性もあります。
高齢犬だからこそ、早い段階で今後の方針について相談しておくことが重要です。
犬の乳腺腫瘍を放置するとどうなる?
乳腺腫瘍は、すべてが急速に大きくなるわけではありません。
しかし、見た目だけで良性・悪性を正確に判断することは難しく、経過観察中に大きくなるケースもあります。
腫瘍が進行すると
- しこりが大きくなる
- 皮膚が赤くなる
- 腫瘍の表面が破れる
- 出血や感染を起こす
- 痛みが出る
- 肺やリンパ節などへ転移する
といった問題が起こる可能性があります。
とくに腫瘍が大きくなって皮膚が破れてしまうと、出血や滲出液が出ることで犬自身が気にして舐めてしまうこともあります。
この段階になってから手術を検討すると、犬への負担が大きくなる可能性が高いです。
「今は困っていないから」と放置するのではなく、しこりを見つけた段階で一度評価してもらいましょう。
手術をしない場合も定期的な確認が大切
高齢犬の場合は全身状態や腫瘍の進行状況によっては、手術を行わずに経過を見る選択になる場合もあります。
ただし、「手術をしない=何もしなくてよい」というわけではありません。
腫瘍の大きさや皮膚の状態、痛みや出血の有無などを定期的に確認してもらうことが大切です。
自宅でも腫瘍の大きさを確認し
- 以前より明らかに大きくなった
- 赤くなってきた
- 出血するようになった
といった変化があれば、早めに動物病院へ相談しましょう。

まとめ
高齢犬に乳腺腫瘍が見つかると、飼い主様が手術や麻酔を心配されるのは当然です。
しかし、治療方針を決める上で重要なのは年齢だけではありません。
腫瘍が小さいうちに見つけることができれば、選択できる治療の幅が広がることもあります。
反対に、様子を見続けて腫瘍が大きくなると、手術の負担が増えたり、治療の選択肢が限られたりする可能性も高いです。
愛犬の乳腺にしこりを見つけたら、「高齢だから仕方がない」と決めてしまう前に、まず現在の状態を確認してもらいましょう。
当院では腫瘍科診療に力を入れています。
愛犬のお腹にしこりを見つけたら年齢に関わらず、ぜひ早めにご相談ください。
よくあるご質問
Q. 高齢犬でも乳腺腫瘍の手術はできますか?
- 高齢犬でも、全身状態によっては乳腺腫瘍の手術を行うことができます。
「何歳以上は手術できない」という明確な年齢制限はないため、心臓や腎臓の状態などを確認して麻酔や手術が可能か判断されます。
Q. 高齢犬の乳腺腫瘍は手術したほうがいいですか?
- 高齢犬かどうかに関わらず、すべての乳腺腫瘍で手術が必要とは限りません。
腫瘍の大きさや数、転移の有無、全身状態などを確認し、手術によるメリットとリスクを考えながら治療方針が決まります。
Q. 高齢犬の乳腺腫瘍を手術せずに放置するとどうなりますか?
- 乳腺腫瘍が大きくなると、皮膚が破れて出血や感染、痛みなどを引き起こすことがあります。
悪性の場合は肺やリンパ節などへ転移する可能性もあるため、手術をしない場合でも定期的に状態を確認することが大切です。
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