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犬の乳腺腫瘍が転移したときの症状や検査ついて獣医師が解説

伏せてこちらを見るゴールデンレトリバー

「愛犬が乳腺腫瘍と診断されて転移が心配」
「転移したらどのような症状が出るの?」
このような不安や疑問をお持ちではないでしょうか?

犬の乳腺腫瘍は悪性の場合、リンパ節や肺へ転移することがあります。
転移によって体への変化や症状が現れることがあるため、自宅で症状がないかを確認したり動物病院で検診を受けたりすることが重要です。

今回の記事では、犬の乳腺腫瘍が転移したときの症状や検査などについて解説します。
愛犬が乳腺腫瘍と診断されて不安を感じている飼い主様は、ぜひ最後までお読みください。

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犬の乳腺腫瘍が転移しやすい場所

犬の乳腺腫瘍が転移しやすい主な場所は近くのリンパ節と肺です。
転移した場所によって現れる症状にも違いがあります。

転移しやすい乳腺近くのリンパ節は以下の2つです。

  • 脇の下にある腋窩リンパ節
  • 股の付け根にある鼠径リンパ節

どちらのリンパ節に広がるかは、腫瘍ができた乳腺の位置によって異なります。
前足に近い乳腺なら脇の下、後ろ足に近い乳腺なら股の付け根が中心で、真ん中の乳腺ではどちらの可能性もあります。

また、乳腺腫瘍では通常とは異なるリンパの流れが形成されることもあり、お腹の奥にある「腰窩リンパ節」へ転移する場合もあります。
腰窩リンパ節には、骨盤の近くにある内側腸骨リンパ節などが含まれます。
腰窩リンパ節が大きく腫れると、周囲の臓器を圧迫し、

  • 排便しづらくなる
  • 便が細くなる
  • 便秘になる

などの症状につながることがあります。

さらに、転移の中でも、がん細胞が血液やリンパの流れに乗って乳腺から離れた臓器へ広がる現象を遠隔転移と呼びます。
犬の乳腺腫瘍では肺への遠隔転移が最も多いです。
肝臓への転移やお腹の中のリンパ節への転移が起こることもあります。

犬の乳腺腫瘍が転移したときにみられる症状

犬の乳腺腫瘍が転移したときにみられる症状は、転移した場所や全身の状態によってさまざまです。
主な症状には以下のようなものが挙げられます。

  • リンパ節の腫れ
  • 排便の変化
  • 咳や呼吸の変化
  • 元気や食欲の低下、体重減少

それぞれみていきましょう。

 

リンパ節の腫れ

犬の乳腺腫瘍がリンパ節に転移すると、脇の下や股の付け根にしこりが触れることがあります。
健康な犬では、これらのリンパ節は触ってもほとんど分からない大きさです。
そのため、以前はなかったしこりが触れた場合はリンパ節へ転移が起こっているサインかもしれません。
愛犬の体にしこりなどの変化をみつけたら、できるだけ早く動物病院に相談しましょう。

 

排便の変化

乳腺腫瘍が腰窩リンパ節へ転移し、リンパ節が大きく腫れると周囲の臓器を圧迫することがあります。
とくに骨盤付近にあるリンパ節が腫大すると、直腸が圧迫され

  • 排便しづらそうにする
  • 何度もいきむ
  • 便が細くなる
  • 便秘になる

などの変化がみられることがあります。

乳腺腫瘍のある犬に排便の変化がみられた場合、ただの便秘ではないかもしれません。
いつから排便しづらくなったのか、便の太さや回数に変化がないかを確認し、動物病院へ相談しましょう。

 

咳や呼吸の変化

犬の乳腺腫瘍が肺に転移すると咳がみられることがあります。
しかし、肺転移の初期では目立った症状が出ないこともあるため注意が必要です。

病変が広がると次のような症状がみられることがあります。

  • 咳の回数が増える
  • 安静時の呼吸数が増える
  • 苦しそうに息をする

咳や呼吸の変化は犬の全身状態の悪化にもつながります。
転移以外の原因が隠れている可能性もあるため、このような症状がみられたら病院へ相談しましょう。
特に苦しそうに息をしている場合は、様子を見ずに動物病院を受診することが大切です。

 

元気や食欲の低下、体重減少

犬の乳腺腫瘍の転移が進むと、元気や食欲の低下、体重減少などがみられることがあります。
「最近食べる量が減った気がする」「痩せてきた」このような愛犬の変化はありませんか?
そのような変化は乳腺腫瘍の転移によって引き起こされているかもしれません。

食欲や体重などの変化がないかは日頃から確認しておくことが大切です。
嘔吐や下痢などほかの症状があった場合も記録をしておき、診察時に獣医師に伝えましょう。

芝生で座って横を見つめる犬

犬の乳腺腫瘍の転移は症状だけでわかる?検査の方法は?

犬の乳腺腫瘍の転移は症状やしこりが増えたかどうかだけではわかりません。
転移していても初期では体調の変化が目立たないことがあるためです。
見た目や普段の様子だけで判断しようとすると、初期の転移を見逃してしまう危険があります。

乳腺腫瘍の転移を見逃さないためには、動物病院での検診が欠かせません。
主に行われる検査には次のようなものがあります。

  • 胸部レントゲン検査や胸部CT検査
  • 腹部超音波検査
  • 細胞診や病理組織検査

肺への転移を調べるのは、胸部レントゲン検査や胸部CT検査です
胸部レントゲン検査では肺が複数の方向から撮影され、転移の有無が調べられます。
CT検査は、レントゲンでは見つけにくい小さな病変の発見につながることがあるため重要です。

腹部超音波検査では、お腹の中の臓器への転移やリンパ節の状態が詳しく調べられます。

細胞診は、腫れたリンパ節などに細い針を刺して細胞を採取し、転移しているかどうかを調べる検査です。
手術で切除した腫瘍やリンパ節を顕微鏡で観察する病理組織検査によって腫瘍の性質やリンパ節への転移の有無が調べられます。

これらの検査を受けても非常に小さな転移はみつからないこともあります。
検査結果と今後の経過については獣医師によく確認することが大切です。

ブランケットに包まれる犬

まとめ

犬の乳腺腫瘍の転移では、リンパ節の腫れや咳といった症状がみられることがあります。
ただし、転移していても症状が目立たないことがあり、様子だけでは判断できません。
日頃から愛犬の様子を確認しながら、動物病院で定期的に検査を受けましょう。

当院では腫瘍の診療に力を入れています。
犬の乳腺腫瘍の治療や手術に加えて、手術後の検診まで対応しています。
愛犬の乳腺腫瘍の転移や体調の変化が気になる飼い主様は、お気軽にご相談ください。

 

よくあるご質問(Q&A)

Q.犬の乳腺腫瘍はどこに転移しやすいですか?

A.犬の乳腺腫瘍は、悪性の場合、近くのリンパ節や肺に転移することがあります。
特に肺は遠隔転移が多い場所で、肝臓やお腹の中のリンパ節に転移する場合もあります。

 

Q.犬の乳腺腫瘍が肺に転移するとどのような症状が出ますか?

A.犬の乳腺腫瘍が肺に転移すると、咳や呼吸数の増加、苦しそうな呼吸などがみられることがあります。
ただし、肺転移があっても初期には症状が出ないことがあるため、定期的な検査が大切です。

 

Q.犬の乳腺腫瘍の転移はどのような検査で調べますか?

A.犬の乳腺腫瘍の転移は、胸部レントゲン検査やCT検査、腹部超音波検査などで調べます。
リンパ節が腫れている場合には細胞診を行うこともあり、手術で切除した組織は病理組織検査で詳しく確認します。

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