ブログ
Blog
感染が原因の犬の心臓病|犬の心臓への感染は一刻を争う?

犬の心臓病というとどんなイメージをお持ちですか?
犬では僧帽弁閉鎖不全症などの心臓の弁に変性が生じる弁膜症がもっとも有名です。
実は感染が原因で心臓病を引き起こすこともあります。
犬の心臓の感染は頻度は高くはありませんが、発症すると命に危険が及ぶこともある疾患です。
今回の記事では心臓の感染に関してご紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の心臓に関する知識を深めましょう。
感染による犬の心臓病とは
感染による犬の心臓病の原因はおもに
- 細菌感染
- ウイルス感染
- 寄生虫感染
です。
それぞれの原因によって心臓の機能が低下することで、心不全を引き起こします。
細菌感染
心臓に細菌が感染することで生じる疾患は心筋炎と心内膜炎です。
心臓の筋肉に細菌感染が起こると細菌性心筋炎、心臓を包む膜に感染が起こると細菌性心内膜炎と呼ばれます。
心内膜炎は特に心機能に関わる心臓の弁に塊状の病変を形成することが多いです。
この病変の影響で心臓の弁の逆流や狭窄が起こり、心不全の兆候がみられるようになります。
ウイルス感染
犬の心臓へのウイルス感染でもっとも多いのはパルボウイルスによるものです。
パルボウイルス感染症は免疫力が低い子犬で発症し、消化器症状を引き起こすことが多いです。
ただし、非常にまれではありますが、心筋炎を引き起こすタイプのウイルスも存在します。
寄生虫感染
心臓への寄生虫感染でもっとも有名な疾患はフィラリア症です。
フィラリアは犬の心臓に寄生し、繁殖することで、心不全を引き起こします。
愛犬のフィラリア予防は忘れずに行っていますか?
フィラリア症は適切に予防することで未然に防ぐことが可能です。

犬の心臓に感染が生じる原因
本来、心臓は血液によって細菌やウイルスから守られているため、病原体は存在しません。
では、なぜ犬の心臓に感染が生じるのでしょうか。
それぞれの感染の原因に関して以下で解説します。
細菌感染
犬の心臓への細菌の感染は他の部位から血液を介して生じることが多いです。
本来血液は無菌に保たれていますが、体内で感染が成立するとさまざまな部位から細菌が侵入する可能性があります。
- 歯周病
- 皮膚炎
- 尿路感染症
- 呼吸器感染症
などの病巣から血液を介して心臓まで細菌が流入することで心臓に病巣が作られます。
また、糖尿病や甲状腺機能低下症など免疫力が低下する疾患を持つ犬では他臓器の感染が心臓に及ぶリスクが高いため、特に注意が必要です。
ウイルス感染
パルボウイルスは感染した犬の糞便などを口から摂取することで感染が広がります。
特に子犬を集団飼育しているブリーダーでは、パルボウイルスの集団感染のリスクが高いです。
寄生虫感染
フィラリア症は犬がフィラリアに感染した蚊に刺されることで感染が成立する疾患です。
蚊が犬を吸血すると、犬の血管内にフィラリアの幼虫が侵入し、体内で成長します。
体内に侵入したフィラリアの幼虫は半年かけて成長し、心臓や心臓につながる太い血管である肺動脈に寄生しながら増殖します。
感染による犬の心臓病の症状
感染による犬の心臓病では初期段階で症状がはっきりしないことも多いです。
心臓の感染により心機能の低下が進行すると
- 呼吸が早くなる
- 咳をする
- 運動を嫌がる
- 失神する
などの心不全や不整脈に関連した症状がみられます。
さらに心機能が低下し、舌が青紫に見える場合はチアノーゼといってかなり緊急性が高いです。
このような場合は一刻を争うため、すぐに動物病院に連れていきましょう。
また、感染によって全身に炎症が生じた場合にはぐったりして熱っぽくなることもあります。
感染による犬の心臓病に対する治療
感染による犬の心臓病に対しては心臓の機能低下に対する治療とそれぞれの疾患に対する治療を行います。
心臓の機能低下に対しては強心剤や血圧に対する飲み薬での治療を行います。
呼吸が苦しい場合は酸素室を使用し、入院下で治療を行うことも多いです。
それぞれの疾患の治療については以下でみていきましょう。
細菌感染
細菌感染に対しては抗生剤を用いて治療を行います。
抗生剤の効果が不十分の場合は、血液中の細菌を特定する検査を行い、適切に抗生剤を選択します。
心筋炎や心内膜炎を根治させるためには1~2ヶ月ほど長期的に抗生剤を投与することが多いです。
ウイルス感染
パルボウイルスに対しては特効薬はありません。
基本的には症状に対する対症療法を行います。
心筋炎の影響で呼吸が苦しい場合は酸素室内で点滴をしながら様子をみます。
残念ながら、パルボウイルスで心筋炎を生じている場合は致死率が非常に高く、急速に状態が悪化する場合も多いです。
ただし、混合ワクチンによる予防が可能であるため、定期的なワクチン接種は必須ですね。
寄生虫感染
フィラリア症には駆虫薬による治療を行います。
大量にフィラリアが寄生している場合には一気に駆除すると肺や血管に負担が生じる可能性が高いです。
そのため、死滅した虫体の身体への負担を考えながら時間をかけて駆虫を行う場合もあります。
また、心臓の中に大きな成虫が寄生している場合にはカテーテルを用いて外科的に摘出することもあります。
フィラリア症は月に1度、予防薬を服用することで予防が可能です。
愛犬が心臓病で苦しむ前に、必ずフィラリア予防を行いましょう。

まとめ
いかがでしょうか。
犬の感染性の心臓病は重症化することも多く、早期発見、早期治療が非常に重要です。
また、適切に感染予防を行うことによって心臓への感染を未然に防ぐことがもっとも望ましいです。
呼吸が苦しそう、何となく元気が無いといった症状がある場合は、できるだけ早めに動物病院を受診しましょう。
当院では心臓の感染に対する診断、治療を行っております。
少しでも症状に心当たりのある方は、ぜひ当院までご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q.犬の心臓に感染が起こることはよくありますか?
A.犬の心臓への感染は頻度としては多いものではありません。
しかし発症すると重症化しやすい病気です。
とくに細菌やフィラリアなどの感染が関与する場合は注意が必要です。
Q.犬の心臓に感染が起こるとどのような症状が出ますか?
A.犬の心臓に感染が起こると、呼吸が早くなる、咳が出るなどの症状がみられます。
進行するとチアノーゼや失神などが見られることもあり、緊急性が高い状態になるため注意が必要です。
Q.犬の心臓の感染は予防できますか?
A.犬の心臓への感染のうち、フィラリア症は予防薬によって防ぐことが可能です。
また、ワクチン接種や日常の健康管理によって感染症のリスクを下げることができます。
市川市南八幡の動物病院
あいす動物病院

