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猫の肥大型心筋症とNT-proBNP血液検査について|早期発見のためにできること
猫の肥大型心筋症とNT-proBNP血液検査について|早期発見のためにできること

「健診で心雑音があると言われたけど、元気そうだし大丈夫?」
「肥大型心筋症って血液検査でわかるの?」
「NT-proBNPって猫にも使える検査なの?」
このような疑問をお持ちの飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか?
猫で最も多い心臓病である肥大型心筋症は、症状が出にくく、気づいたときには進行していることも少なくありません。
そんな「見た目ではわからない心臓の負担」を評価する検査のひとつがNT-proBNP検査です。
今回は、猫の肥大型心筋症とNT-proBNP検査の関係、検査でわかること、注意点についてわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛猫の心臓病の早期発見にお役立てください。
猫の肥大型心筋症とは
猫の肥大型心筋症は、心臓の左心室の筋肉(心筋)が異常に厚くなることで、左心室内部(左心室腔)が狭くなり、血液をうまく送り出せなくなる病気です。
初期の段階ではほとんど無症状のことも多く、
- 元気や食欲がある
- 呼吸も落ち着いている
といった状態でも、病気が静かに進行していることがあります。
進行すると、
- 呼吸が速くなる
- 食欲が落ちる
- 元気がなくなる
- 血栓塞栓症による後肢の麻痺
- 急性の呼吸困難(肺水腫)
など、命に関わる症状が突然あらわれることもあるため注意が必要です。
猫の肥大型心筋症の診断方法
猫の肥大型心筋症の診断には、レントゲン検査や心臓エコー検査などの画像検査が主に用いられます。
しかし、画像検査は心臓の肥大がある程度進行しないと異常を確認しにくいという特徴があります。
そのため、肥大型心筋症の早期発見には不向きです。
そこで活用されるのが「NT-proBNP検査」です。
この検査は、無症状の段階でも血液検査を通じて心臓の異常を把握する指標として利用できます。
症状のない初期段階でもNT-proBNP検査なら早期発見が可能となります。
NT-proBNPとはどんな検査?
NT-proBNPとは、心臓の筋肉が引き伸ばされたときに分泌されるホルモンの一種です。
心臓に負担がかかると、このNT-proBNPが血液中に多く放出されるようになります
。
NT-proBNP検査は、採血によってこの数値を測定し、
- 心臓に負担がかかっているかどうか
- 心不全のリスクが高いかどうか
を評価する検査です。
猫の肥大型心筋症においても、心臓への負荷の有無を把握するための「補助的な指標」として活用されます。
どんなときにNT-proBNP検査を行うの?
猫でNT-proBNP検査が行われる主な場面は以下のとおりです。
健康診断
健康診断で心雑音が見つかった際に、心臓への負担の有無を確認する目的でNT-proBNP検査が実施されることがあります。
ただし、猫の肥大型心筋症は心雑音がまったく聞こえないまま進行するケースも少なくありません。
- 健康診断で特に異常を指摘されていなかった
- 心雑音がないと言われていた
という猫でも、NT-proBNP検査や心エコー検査によって初めて心臓病が見つかることがあります。
そのため、健康診断を受ける際は心雑音の指摘がなくてもNT-proBNP検査を受けるのがおすすめです。
肥大型心筋症と診断されていて経過観察中のとき
猫がすでに肥大型心筋症と診断されている場合にもNT-proBNP検査が使われることがあります。
主に病状の進行や、心臓への負担の変化をモニタリングすることが目的です。
NT-proBNP検査の注意点(偽陽性・偽陰性)
NT-proBNP検査は非常に便利な検査ですが、いくつか注意点もあります。
偽陽性が出ることがある
心臓の病気が強くない場合でも、
- 腎臓病
- 高血圧
- 甲状腺機能亢進症
などがあると、NT-proBNPが高く出ることがあります。
そのため、数値が高いからといって必ず重度の心臓病があるとは限りません。
偽陰性が出ることもある
肥大型心筋症のごく初期では、心臓に構造的な異常があってもNT-proBNPが正常範囲にとどまることがあります。
そのため、NT-proBNP検査だけで心臓病の有無を断定することはできず、確定診断には心エコー検査が不可欠です。
NT-proBNPはあくまで「補助的なスクリーニング検査」として位置づけられています。
猫の肥大型心筋症は早期発見がとても重要
猫の肥大型心筋症は、
- 症状が出にくい
- 突然重症化しやすい
- 血栓塞栓症など重大な合併症を起こしやすい
といった特徴があり、早期発見・早期管理がとても重要な病気です。
NT-proBNP検査は、こうした「静かに進行する心臓病」を見つけるきっかけになる検査のひとつです。
- 心雑音を指摘されている
- 呼吸が少し早い気がする
- シニア期に入っている
など、少しでも不安がある場合には獣医師と相談して早めに検査を検討しましょう。

まとめ
猫の肥大型心筋症は、初期には無症状で進行することが多い心臓病です。
NT-proBNP検査は、血液から心臓への負担を推測できる補助的な検査として、早期発見や経過観察に役立ちます。
愛猫の心臓の状態が少しでも気になる場合には、早めに動物病院での相談をおすすめします。
当院では循環器治療に力を入れており、獣医師による聴診は勿論、NT-proBNP検査も導入しています。
猫の心臓のことで気になる症状や健康診断の不安などがある場合には、ぜひご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 猫に心雑音がなくても、肥大型心筋症の可能性はありますか?
猫の肥大型心筋症では、心雑音がまったく聞こえないまま病気が進行するケースも少なくありません。
心雑音がないからといって安心せず、必要に応じて検査を受けることが大切です。
Q2. NT-proBNP検査だけで、猫の肥大型心筋症は診断できますか?
NT-proBNP検査は心臓への負担を調べる補助的な検査であり、確定診断は心臓エコー検査が必要です。
血液検査と画像検査を組み合わせて、総合的に判断していきます。
Q3. 元気な猫でもNT-proBNP検査をしたほうが良いのでしょうか?
猫の肥大型心筋症は初期には症状が出にくいため、元気そうに見えても病気が隠れていることがあります。
シニア期に入った猫や、呼吸が少し早いと感じる猫では、早めの検査が早期発見につながります。
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