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犬の僧帽弁閉鎖不全症とNT-proBNP検査|血液で心臓の状態を知る方法とは?

犬の僧帽弁閉鎖不全症とNT-proBNP検査|血液で心臓の状態を知る方法とは?

駆血帯と採血用注射器

「心雑音があるって言われたけど、本当に心臓が悪いの?」
「NT-proBNPっていう血液検査をすすめられたけど、どういう検査?」
「症状がないうちから検査した方がいいのかな?」

このような疑問をお持ちの飼い主様もいらっしゃるかもしれません。
僧帽弁閉鎖不全症は犬に多い心臓病のひとつです。
しかし、初期には症状がまったく現れないこともあるため、見た目だけでは病気に気づきにくいことがあります。

そんなときに、心臓への負担を血液から評価できるのが「NT-proBNP検査」です。

今回は、NT-proBNP検査でわかること、僧帽弁閉鎖不全症に対する活用方法、注意点などを獣医療の視点から解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の心臓病を早期に見つけるヒントとしてお役立てください。

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僧帽弁閉鎖不全症とは?

僧帽弁閉鎖不全症は、心臓内の弁がしっかり閉じなくなることで、血液が逆流してしまう病気です。
逆流が起きると、心臓の左側(左心房・左心室)に過剰な負荷がかかり、次第に拡大・変形していきます。
重症化すると、

  • 呼吸困難
  • 肺水腫
  • 失神

などの症状が現れ、命に関わる状態に進行することもあります。

しかし、僧帽弁閉鎖不全症は見た目には元気なまま病気が進んでいることも多い病気です。
そのため、早期の診断・評価が重要とされています。

 

NT-proBNPとはどんな検査?

NT-proBNPとは、心臓の筋肉が過度に引き伸ばされたときに心室から分泌されるホルモン(バイオマーカー)です。
心臓にかかる負担が大きくなると、この物質の濃度が血液中で高くなっていきます。

NT-proBNP検査は、血液中のNT-proBNP濃度を測定することで、心臓へのストレスの程度を評価できる検査です。
この検査によって、以下のような情報が得られます。

  • 心臓に負担がかかっているかどうか
  • 心不全が進行しているかどうか
  • 呼吸器症状が心臓由来かどうか

ハートマークとシリンジ

どんな場面で使われる検査?

NT-proBNP検査は、以下のようなタイミングで実施されることが多いです。

 

無症状だが、心雑音を指摘されたとき

症状は出ていないけれど、健康診断などで心雑音を指摘された場合、心臓に本当に負担がかかっているかどうかを調べるために使われます。

 

咳や呼吸が荒いときに、原因を調べたいとき

咳や呼吸の異常がある場合、それが肺や気管の病気なのか、心臓の病気なのか判断が難しいことがあります。
NT-proBNPは、呼吸器疾患と心疾患の鑑別にも役立ちます。

 

すでに心臓病と診断されていて、経過を観察したいとき

僧帽弁閉鎖不全症の進行をモニタリングするために、内服薬の効果や心臓への負担の変化を数値で確認する目的でも使われます。

 

検査方法と結果の見方

検査は1〜2mlの採血で行います。
院内機器があれば30分〜1時間程度で結果が出ることもありますが、外注検査では数日かかることもあります。

数値レベルごとの結果の目安は以下の通りです。

 

数値レベル 解釈の目安
正常範囲 心臓への明らかな負担は認められない
軽度上昇 初期変化の可能性、経過観察を推奨
高値 心臓への強い負担が疑われ、追加検査や治療の検討が必要

 

見た目にはわからない心臓の状態を数値で確認できるのがNT-proBNP検査の強みです。

 

検査のメリットと注意点

NT-proBNP検査のメリットと注意点について説明していきます。

 

メリット

NT-proBNP検査の最大のメリットは、無症状の犬でも心臓病を早期に見つけるヒントになるという点です。
僧帽弁閉鎖不全症は、見た目にわかりやすい症状が出るまで時間がかかる病気です。
健康診断やワクチン時などで偶然心雑音を指摘された場合、検査を活用すれば、症状が出る前に病気を見つけて管理を始めることができます。

また、治療中の犬の経過観察・効果判定にも使えるというメリットもあります。
僧帽弁閉鎖不全症の治療中に「見た目は元気だけど、心臓の状態はどうか」が気になることもあります。
NT-proBNPの数値が安定していれば、治療の効果が出ている可能性がありますし、逆に数値が上がっていれば治療内容の見直しを検討するきっかけになります。

 

注意点

NT-proBNP検査は便利な検査ですが、いくつかの注意点があります。
NT-proBNPの値は、心臓に負担がかかったとき以外でも上昇することがあります。
たとえば、

  • 腎臓病
  • 高血圧
  • 甲状腺機能の異常

といった他の疾患がある場合です。
また、逆に心臓病の初期段階などではNT-proBNPの数値が上昇しないことも。

NT-proBNP検査はあくまで補助的な検査であり、確定診断には心エコーが必要です。
そのため、NT-proBNP検査だけではなく様々な検査を組み合わせて受けるようにしましょう。

診察台で犬の聴診をしようとする女性獣医師と飼い主

まとめ

僧帽弁閉鎖不全症は進行性の心臓病であり、症状が出てからでは治療が難しくなることもあります。
NT-proBNP検査は、症状が現れる前の段階から心臓への負担を可視化できる検査方法です。

当院では、NT-proBNPを含む循環器の検査・管理に力を入れており、心臓病の早期診断から治療方針のご提案まで幅広く対応しています。
愛犬の心臓の状態が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

よくあるご質問(Q&A)

Q1. NT-proBNP検査とはどんな検査ですか?

A. NT-proBNP検査は、心臓に負担がかかると心室から分泌されるホルモン(NT-proBNP)の血中濃度を測定する検査です。
心不全の進行具合や、咳・呼吸困難といった症状の原因が心臓由来かどうかの判断に役立ちます。

Q2. NT-proBNP検査はどんなタイミングで受けるべきですか?

A. 心雑音を指摘されたとき、咳や呼吸異常の原因を調べたいとき、またはすでに心臓病と診断されていて経過を観察したいときなどに行われます。
見た目に症状がない場合でも、早期の評価に有効です。

Q3. 検査結果の数値はどのように見ればよいですか?

A. 数値が正常であれば心臓への大きな負担はないと判断されます。
軽度上昇の場合は初期の心臓負荷の可能性があり、経過観察が必要です。高値の場合は心臓への強い負担が疑われ、追加検査や治療が必要になります。

 

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