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犬の僧帽弁閉鎖不全症、余命はどれくらい?|ステージ別の見通しとできること
犬の僧帽弁閉鎖不全症、余命はどれくらい?|ステージ別の見通しとできること

「僧帽弁閉鎖不全症って、どれくらい生きられる病気なの?」
「心臓病と診断されたけど、どれくらい進んでいるのか不安…」
「残された時間を、愛犬が少しでも快適に過ごせるようにしたい」
僧帽弁閉鎖不全症は犬に多く見られる慢性の心臓病で、診断されたときに余命や寿命について不安になる飼い主様も少なくありません。
今回は、犬の僧帽弁閉鎖不全症における余命の目安や、ステージごとの見通しについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、自分の愛犬が僧帽弁閉鎖不全症になったときの参考にしてください。
僧帽弁閉鎖不全症とは?
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の左心房と左心室の間にある「僧帽弁」がしっかり閉じなくなり、血液が逆流してしまう病気です。
特に小型犬や高齢犬に多く見られる慢性疾患で、進行すると心不全や肺水腫といった命に関わる状態になることもあります。

椅子でくつろぐホワイトテリア
僧帽弁閉鎖不全症、余命の目安は?
犬の僧帽弁閉鎖不全症では、病気の進行度(ステージ)によって余命の目安が異なります。
ステージはB〜Dまであり、それぞれ症状もことなるため、余命にも差がでてきます。
詳しいステージごとの症状と治療についてはこちらの記事もご覧ください。
ステージB1(無症状・心臓に変化なし)
この段階では余命に大きな影響はほとんどありません。
定期的な検査で変化を早期にとらえ、進行していないか見ていくことが大切です。
ステージB2(無症状だが心臓に拡大あり)
この段階では心臓には拡大がありますが心不全には至っていないため、治療を始めることで、数年にわたって安定した生活を送ることが期待できます。
ある研究では、ステージB2でピモベンダンによる治療を開始した犬は、平均で15ヶ月以上、心不全の発症を遅らせられたというデータもあります。
ステージC(症状が出ている)
ステージCは咳や呼吸困難、元気消失などの症状がある段階です。
治療により1〜2年、またはそれ以上の延命が可能なケースもあります。
内科治療を続けながら、症状をコントロールしていくことがポイントです。
[犬の僧帽弁閉鎖不全症の内科治療とは?|薬で進行を抑える心臓病ケア]
もご参照ください。
ステージD(治療に反応しにくくなった状態)
この段階では病気も末期の状態になり、予後が数ヶ月〜1年未満となることもあります。
犬の状態や治療への反応によってはもう少し延ばせることもありますが、「愛犬がいかに苦しまずに過ごせるか」を考えていく時期になります。
手術を受けた場合の余命は?
僧帽弁閉鎖不全症は、近年では僧帽弁形成術などの手術によって完治を目指す選択肢もあります。
手術が成功すれば、通常の寿命とほとんど変わらない生活を送れる可能性もあります。
しかし、手術は高額で高度な施設が必要となるため、選択肢のひとつとして獣医師と相談することが大切です。
https://www.ice-ah.jp/blog/2025/06/21/column11/
[犬の僧帽弁閉鎖不全症、手術後はどうなる?|術後の経過と生活での注意点]
の記事も参照ください。

飼い主としてできること
僧帽弁閉鎖不全症は完治が難しく、進行すると余命にも影響が出てしまいます。
たとえ治すことが難しい病気でも、暮らしの中でできることはたくさんあります。
- しっかりと決められた薬を与える
- 食事の塩分やカロリーを調整する
- 無理のない散歩で体調を見守る
- 心拍数や呼吸の変化をこまめにチェックする
- ストレスを減らし、安心して過ごせる環境をつくる
家の中でも犬が快適に過ごしていけるような生活の工夫をすることで、少しでも余命を伸ばしながら苦しまない生活を送っていくことが重要ですね。
https://www.ice-ah.jp/blog/2025/07/07/column13/
犬の僧帽弁閉鎖不全症、生活でできる工夫とは?|毎日のケアで心臓への負担を軽減
こちらの記事でも、日常生活でのサポートについて紹介しています。
まとめ
犬の僧帽弁閉鎖不全症は、進行性の心臓病です。
しかし、早期発見と継続的な治療・ケアによって余命や生活の質を大きく変えることができます。
完治が難しい病気になると余命が気になるとは思いますが、「あとどれくらい一緒にいられるか」ではなく、「今をどう快適に過ごしてもらうか」という視点を持つことが、愛犬と飼い主様にとって大切な時間につながります。
当院では、僧帽弁閉鎖不全症の診断・治療はもちろん、今後の生活やご家族のサポートについても丁寧にご相談に応じています。
心臓病に関する不安がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 犬の僧帽弁閉鎖不全症はどのくらい生きられる病気ですか?
A. 僧帽弁閉鎖不全症の余命はステージによって異なります。
ステージB1では大きな影響は少なく、B2では治療により1年以上の進行遅延が期待できます。
ステージCでは1〜2年、Dでは数ヶ月〜1年未満が目安とされますが、個体差も大きいため定期検診が重要です。
Q2. 手術をすれば余命は延びますか?
A. 手術(僧帽弁形成術など)が成功すれば、病気の完治や通常に近い寿命が期待できるケースもあります。
ただし、費用・年齢・体調などの条件が影響するため、手術の適応は獣医師との相談が必要です。
Q3. 余命が心配なときに家庭でできるサポートはありますか?
A. 薬の継続、塩分制限などの食事管理、無理のない散歩、呼吸数や咳などの観察、ストレスの少ない環境づくりが大切です。
家庭でのケアによって、生活の質を保ちつつ余命を伸ばすサポートができます。
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