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犬の失神は心臓病が原因?|突然倒れるときに考えられる病気と受診の目安

クッションで眠るトイプードル

「散歩中に急に倒れてしまった」
「数秒で立ち上がったけれど、大丈夫なの?」
「犬の失神は心臓病が原因なの?」
愛犬が突然倒れる姿を見ると、とても驚いてしまいますよね。
犬の失神は、一時的に脳への血流が不足することで意識を失う状態です。
数秒から数十秒で回復することもありますが、その背景には心臓病が隠れているケースもあります。
もちろん、失神には心臓以外の原因が関係することもあります。
しかし、命に関わる病気が原因となっている可能性もあるため、「すぐに元気になったから大丈夫」と自己判断しないことが大切です。

今回は、犬の失神と心臓病の関係、考えられる原因や受診の目安について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬に同じような症状がみられたときの参考にしてください。

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犬の失神とは?

失神とは、一時的に脳へ十分な血液が届かなくなり、意識を失って倒れてしまう状態です。
多くの場合は数秒から数十秒ほどで意識が戻り、その後は普段通りに見えることもあります。
しかし、「すぐ元気になったから問題ない」とは言い切れません。
失神は体からの重要なサインであり、原因を調べることが大切です。

 

犬の失神でみられる症状

失神では、次のような様子がみられることがあります。

  • 急に力が抜けるように倒れる
  • 呼びかけても反応がない
  • 数秒から数十秒で意識が戻る
  • 立ち上がると普段通りに歩く
  • 倒れる前にふらつく

失神はけいれん発作と間違われることもあります。
失神ではけいれん発作と違い、意識が戻るまでの時間が比較的短く、回復後も普段通りに戻ることが多いのが特徴です。
ただし、見た目だけで失神と発作を区別することは難しいため動物病院でしっかり診断してもらいましょう。

 

犬の失神とてんかんはどう違う?

犬が突然倒れると「てんかんではないか」と心配される飼い主様も多くいらっしゃいます。
実際に、失神とてんかん発作は見た目が似ていることもあり、見た目だけでは判断が難しいケースも多いです。

一般的には、次のような違いがみられることがあります。

失神 てんかん発作
心臓病などで脳への血流が一時的に低下して起こる 脳の異常な電気活動によって起こる
数秒〜数十秒で回復することが多い 数分続くこともある
回復後は比較的すぐ普段通りになることが多い 発作後もしばらくぼんやりしたり、ふらついたりすることがある
興奮や運動中に起こることがある 安静時や睡眠中にも起こることがある

ただし、これらはあくまで一般的な傾向です。
失神でも手足が軽く動くことがあり、反対にてんかん発作が短時間で終わることもあります。
そのため、見た目だけで区別することは難しく、心臓や神経の病気を含めて検査を受けることが重要です。
愛犬が突然倒れた場合は、可能であればスマートフォンで動画を撮影しておくと、診断の大きな手がかりになります。

 

犬の失神で心臓病が疑われる理由

心臓は全身へ血液を送り出すポンプの役割をしています。
心臓病によって十分な血液を送り出せなくなると、一時的に脳への血流が低下し、失神が起こることがあります。

とくに、

  • 興奮したとき
  • 散歩中
  • 運動したあと

などに失神する場合は、心臓が関係している可能性があるかもしれません。

 

失神を起こすことがある心臓の病気

犬の失神は、心臓が十分な血液を送り出せなくなることで起こることがあります。
心臓病によって血流が一時的に低下すると、脳へ十分な酸素が届かなくなり、意識を失ってしまいます。

失神を起こすことがある心臓の病気についていくつか解説していきましょう。

 

不整脈

犬の失神でまず疑われる病気のひとつが不整脈です。
不整脈とは、心臓の拍動リズムが乱れる状態のことです。
心拍数が極端に速くなったり、反対に遅くなったりすると心臓が十分な血液を送り出せなくなります。
その結果、一時的に脳への血流が不足し失神が起こることがあります。

不整脈は発作的に起こることも多く、動物病院で診察を受けたときには異常が見つからない場合もあります。
そのため、必要に応じて24時間心電図(ホルター心電図)を用いて普段の生活中の心拍を記録することもあります。

 

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症は、小型犬でもっとも多くみられる心臓病です。
心臓の弁がうまく閉じなくなることで血液が逆流し、心臓に負担がかかります。
初期には咳や運動を嫌がるといった症状が中心ですが、病気が進行すると心臓の働きが低下し、全身へ十分な血液を送り出せなくなることがあります。
さらに肺水腫を併発すると酸素不足も加わるため、重症例では失神につながることがあります。

 

拡張型心筋症

拡張型心筋症は、ドーベルマンやボクサーなどの大型犬にみられる心臓病です。
心臓の筋肉の収縮力が低下し、血液を送り出す力が弱くなります。

病気が進行すると心不全や重度の不整脈を伴うことがあり、運動中や興奮した際に突然失神することがあります。
犬種によっては突然死の原因となることもあるため、早期発見が重要です。

 

肺高血圧症

肺高血圧症とは、肺の血管の圧力が高くなる病気です。
肺へ血液を送るために心臓へ大きな負担がかかり、心臓の機能が低下すると失神が起こることがあります。

とくに、

  • 散歩中
  • 興奮したとき
  • 排便時

など、一時的に心臓へ負担がかかったタイミングで症状が現れることがあります。

床で伏せるヨークシャテリア

心臓病以外が原因のこともあります

失神には心臓病以外の原因もあります。

たとえば、

  • 低血糖
  • 重度の貧血
  • 神経の病気

などです。
そのため、「失神=心臓病」と決めつけることはできません。
原因を特定するためには、全身を評価することが重要になります。

 

犬が失神したときは?

愛犬が失神した場合は、慌てずに様子を確認しましょう。
可能であれば、

  • 倒れる前に何をしていたか
  • 意識がなくなっていた時間
  • 手足が動いていたか
  • 尿や便を漏らしたか
  • 回復までにかかった時間

などを確認しておくと診断の参考になります。

また、失神が一度だけでその後元気に見える場合でも、自己判断で様子を見ることはおすすめできません。
失神の背景に重い心臓病や不整脈がある場合、繰り返したり、突然命に関わる状態になったりすることもあります。

とくに

  • 初めて失神した
  • 失神を繰り返す
  • 呼吸が速い

このような場合は、できるだけ早めに受診しましょう。

ソファで昼寝するパピヨン

まとめ

犬の失神は、一時的に回復しても安心とは限りません。
心臓病や不整脈など、早期に治療や管理を始めることで症状の改善や再発予防につながる病気が隠れていることもあります。

当院では、心エコー検査やNT-proBNP検査、胸部レントゲン検査などを行い、犬の循環器診療に力を入れています。
愛犬が突然倒れた、失神したかもしれないと感じた場合は、お早めにご相談ください。

 

よくあるご質問(Q&A)

Q. 犬が失神した場合元気なら様子を見ても大丈夫ですか?

  1. 犬が失神から回復していても、できるだけ早めに動物病院で原因を調べることをおすすめします。
    短時間の失神であっても、心臓病や不整脈が隠れている可能性があります。
    放置すると命に関わることもあるため、早めに動物病院を受診しましょう。

Q. 犬の失神とてんかんはどう違いますか?

  1. 失神では短時間で意識が戻ることが多く、てんかんでは手足を大きく動かしたり意識障害が長く続いたりすることがあります。
    ただし、見た目だけで区別することは難しい場合が多いです。
    自己判断せずに動物病院を受診しましょう。

Q. 心臓病の犬は必ず失神しますか?

A.心臓病があるからといって必ず失神するわけではありません。
心臓病では咳や呼吸の速さ、疲れやすさなどが先にみられることも多く、失神は一部の症例でみられる症状です。

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